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  • 安心できる医療について③

    “切らない”選択のその後――希望につながった再生医療との出会い

    ~回復のきっかけは、思いがけないところから~

    「安心できる医療②」でご紹介した顔面痛の影響で、当時は話すだけで激しい痛みに襲われ、医療関係の方から「話さなくてすむ工場などの作業での仕事がよい」とのご助言をいただき、工場勤務をすることにしました。

    工場作業の厳しさは、単純な動作であっても、ベルトコンベヤーなどを通して、それを数千、数万回と繰り返さなければならない点にあります。
    力の要る作業であっても数千回と繰り返すこともあり、普段使わない部分の筋肉を酷使する作業は特に危険で、右腕にしびれを伴う強い痛みが現れました。
    動かすたびに激痛が走り、帰宅後にはさらに悪化して、右腕が痛みで動かすことが難しくなりました。

    整形外科では「右手腱鞘炎」と診断され、1か月療養を取るように指示がありました。
    また、装具の装着とシップを張って「なるべく動かすように」との指導を受けましたが、実際は日に日に強い痛みとしびれでほとんど動かせなくなりました。

    何より深刻だったのは、症状が日ごとに悪化したことです。

    腱鞘炎による右腕の痛みに加え、人差し指も動かせなくなり、約2か月後には人差し指にうっ血が見られるようになりました。
    うっ血がひどくなり、症状の悪化が続いてしまったため、6か月後にはある医師からは、「これ以上悪化したら、責任を持って切除しましょう」と親切心からおっしゃいました。
    ただ、私は「どうにか治したい」という思いでいっぱいでした。その想いと、医療機関側という見解との間に、すれ違いが生じていました。

    リハビリでも改善の兆しが見えず、出口の見えない状況に絶望しかけていた頃、知人の弁護士に相談することにしました。

    その弁護士の方は、これまで多くの労災や特殊な事故案件に関わってこられた方で、非常に的確で誠実なアドバイスをくださいました。
    「もし治すことをあきらめているのなら、再生医療の可能性も検討してみては。まだ間に合うかもしれない」と。
    既にケガから半年が経過していた私は、わずかな希望を抱き、その方から大学病院の再生医療に携わる鍼灸師の方をご紹介いただきました。

    治療内容は、鍼(はり)と電気などを用いた治療でした。
    はじめに説明を受けた時に鍼灸師の方がおっしゃったのは、「ケガから処置が早いほど良いけれど、遅くなってしまった場合は、治療もできなくなってしまうこともある。まだ間に合うからよかった。」と言った旨のことを伝えられました。

    最初の数回は劇的な変化が見られなかったものの、次第に指が少しずつ動かせるようになり、リハビリも進むようになっていきました。

    鍼灸師のアドバイスに従い、風船を握る動作を繰り返す、歩くときに「グー・パー」の運動をするなど、小さな積み重ねを3~4か月かけて続けた結果、機能が徐々に回復していきました。

    最初に診てくださった整形外科の先生にも経過を報告したところ、「うっ血が引いてよかった」と一緒に喜んでくださり、1年後には仕事復帰できるまでに回復しました。
    ただし、以前のような工場作業には戻れる状態ではなく、資格を取得して事務職への転向を目指すことにしました。

    その後も鍼灸治療と自主的なリハビリを続け、完全ではないものの、手や腕の動きは4~5年をかけて十分に改善されました。
    さらに、ピアノをリハビリの一環として始めたことが、大きな転機になりました。
    もともと歌うことが好きだったのですが、顔面痛で歌うのがつらくなっていた私にとって、ピアノは新たな音楽のかたちでした。

    最初はうまく弾けず苦労しましたが、「リハビリとして続けなければ」という気持ちで地道に続けていくうちに、次第に音楽そのものの喜びが生まれてきました。
    少し余談にはなりますが、病気やケガで心が沈みがちなとき、音楽は思いのほか大きな心の支えになるということを、身をもって実感しました。

    おわりに

    ひとりで抱え込まないでください

    今回のように、ケガや病気で回復が思うように進まないときは、「もしかしたら他に方法があるかもしれない」と視点を変えてみることも大切です。
    私は、多くの方に状況をお話しする中で、思いもよらないところに道が開けました。
    特に、医療に精通した弁護士の方が治療方法の情報を持っておられたことは、大きな転機となりました。

    今では、市販の「ひばり(ミニ鍼)」を、過去に鍼灸師の先生に打っていただいた場所に貼ることで、体調管理を続けています。
    ただし、針の扱いは非常に繊細で危険も伴うため、専門家の指導を受けることをお勧めします。

    どうか、一人で悩まずに、信頼できる医療関係者や法律の専門家に相談してみてください。
    解決の糸口は、案外、医療の「外側」から情報がもたらされることもあるかもしれません。

    本記事の内容は、あくまでも私自身の体験に基づく一つの可能性としてご紹介したものです。
    参考程度にご覧いただき、ご自身の状況に合わせてご判断いただければ幸いです。
    つらい症状に悩まされている方が、一日も早く回復されることを心よりお祈り申し上げます。

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  • 安心できる医療について②

    違和感をあなどらないで――10年以上の顔面痛と気づかれなかった原因

    長年、私は10年以上もの長い間、顔面の痛みに悩まされてきました。
    これまでの診察では原因を見つけてもらえず、何度も「顎関節症」と診断されてきました。
    しかし、ある医師の診察を受けたことが転機となり、ようやく本当の原因が判明しました。

    これまで大変危険な状況であったと、認識しています。

    結果的に悪い部分を除去することができ、現在は無事に回復しています。

    ※実際の症状を記録として残しておきたく、同じような悩みを抱えている方の参考になればと思い、以下治療経過と画像を掲載しています。
    ただし、経過の画像がリアルな内容になっているので、少し生々しく感じられるかもしれません。無理のない範囲でご判断いただければと思います。

    ◆10年以上見逃されていた
     ~想像以上に危険だった原因とは~

    苦しんでいた症状は以下のようになります。

    画像は右上奥歯付近のものです(※写真なので左右反対です)。
    白い線状のものが伸びていく、特異な症状でした。

    この白い線は、症状が悪化すると下の右奥歯付近まで伸びます。
    伸びている先で神経や歯茎に異変が生じていました。

    実際、神経が浮き出て、白い筋が現れます。

    ルーペでの詳細な診察により、ベテランの医師により右上奥の「ぼろぼろの親知らず」が発見されました。
    非常に奥まった場所にあり、暗がりで確認しづらい位置にあったことから、別の医師からは何度も見逃されていたのではないかということです。
    丁寧に診てくださる信頼できる先生のおかげで、ようやく見つけていただくことができました。

    抜歯された親知らずは、内部が空洞になっており、上部は大きく欠けています。
    空洞になるまで抜歯されなかった状態を想像すると、過去の痛みと恐怖を感じます。
    しっかりされた信頼のできる方であったため、すぐに見つけられたのだと感じています。
    10年前に先生とお会いしていればこんなひどいことにはならなかったのでは感じる一方で、本当に発見して処置していただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

    それまで発見されなかったことによる影響

    これまで何度も顎関節症と診断され、そのたびに頬の上から強くマッサージを受けるなどの処置が行われ、激しい痛みとともに悲鳴を上げたこともありました。

    ●以下歯からの痛みや顔面痛の余波と考えられるものの一つ
    (青色の部分は前述した親知らずの治療部分になります。)

    ①黄色の部分の治療時、神経の空洞化が見られ治療が難航した

    以前、他院にて医師2名がかりで根幹治療を受けましたが、6か月たっても以下の理由で治療が進みませんでした。
    神経が4根であったこと(通常は2根だそうです)
    石灰化が進んで固まっていて治療が進められない

    その後、現在の医院でお世話になっていますが、医師により判明した状況はより深刻なものでした。
    治療が進まなかった部位は石灰化ではなく神経側からの空洞化でした(穴の深さが測定できない)。

    ②歯茎から骨が出てくる

    一つの可能性として、医師からはかむときの強い力によって、奥歯の骨が乖離し、乖離した骨が歯茎の表面に出てくるというものでした。

    私の場合は、発見されていなかった親知らずの虫歯やその親知らずが原因で起きている顔面痛の苦しみで、夜中など食いしばりが起こっていたのを思い出します。

    上記の添付画像のように、私の場合は赤丸部分は2週間、青丸部分は4週間かけて徐々に骨が表面に出てきました。
    以下の症状が続きました。
    ・骨が刺さった痛み
    ・引っかかると強く痛む
    ・周辺の筋肉のこわばりが強く出る
    ・ひっかかった後にしばらくして耳鳴りが強く出る場合があった

    赤丸部分と青丸部分ともに1か月と1週間ほどで、ほぼ同じタイミングに取れて、傷に代わりました。
    取れた後も痛みがあり、歯科にて消毒をしていただきました。

    ◆注意点

    骨髄炎など別の病気も考えられるケースもあるそうで、安易な判断は危険です。信頼できる専門医に診ていただくことが必須です。また、骨のかけらが表面に出きっていない場合、再度歯茎から骨が出てくる可能性があるそうです。


    【治療と医師への感謝】

    今回の経験を通じて、「しっかり確認してくださる医師がどれほど心強い存在であるか」を強く実感しました。


    【同じ症状で悩む方へ】

    虫歯は進行すると感染源となり、心臓や脳に影響を及ぼすことがあるという話もあります。
    最悪の場合は死に至るケースもあります。

    私自身、原因不明の顔面痛や頭痛、痙攣などに10年以上悩まされてきました。

    同様の症状に悩む方は少ないかもしれませんが、「虫歯が原因かもしれない」という視点を持っておくことで、解決の糸口になることもあるかもしれません。

    今回の出来事から、原因が分からない顔面痛や頭痛が続いている方がいらっしゃれば、ぜひ一度、歯や親知らずの状態も確認されることをおすすめしたいと強く感じます。


    今回歯科のお医者様が、患者の声や状況を多面的に受け止め、さまざまな可能性を考慮しながら診てくれる医師であったことで、10年間以上苦しみ続けた状況に終止符を打ち、命拾いをしました。

    まとめ

    虫歯が放置されることの危険性や影響は広範囲にわたるため、十分な注意が必要です。
    今回、ベテランの医師からの指摘でようやく気づき、写真を撮影して確認することができました。

    もし、原因がはっきりせず、奥歯や歯ぐきなどに違和感がある場合には、ご自身のスマートフォンなどで口腔内の奥の様子を撮影してみるのも一つの手です。

    思いがけない原因が写り込んでいるかもしれませんし、自分自身の健康を守る第一歩になる可能性もあります。

    もしご病気を抱えていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、そのご苦しみが少しでも和らぎ、快方へ向かわれますよう心よりお祈り申し上げます。

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  • 安心できる医療について①

    薬は安全?  ~信じた治療が招いた日々と信頼できる医師との出会い~

    私が20歳の時に大きな転機が訪れました。

    もともと家庭の事情などで過労気味になり、気分の悪さやのどの痛み、咳などの症状が現れ、内科を受診したことがありました。

    当時の医師に肺炎と診断され、肺炎の薬が処方されました。
    症状が悪化すると、肺の症状が正常であったと伝えられていたのにも関わらず、さらに強い肺炎の薬が出されました。

    その後、急激に悪化し、胃けいれんや激しい腹痛が起こり、病院に搬送されました。

    搬送先の病院の医師によると、肺炎の強い薬により、「胃潰瘍」を引き起こし、そのまま入院となりました。

    医師によると、もともとの症状が「逆流性食道炎」であったとのことです(胃酸の逆流が起こると、胸やけとともに、喉の違和感、気道に影響を与えることで慢性的な咳が出るため)。

    退院後、7〜8年もの間、以下の症状により食事に苦痛が伴いました。
    ・少し食べただけでも胃の不快感
    ・胃の痛みが出やすい
    ・寝るときの胃酸の逆流で夜せき込む など
    症状がある程度落ち着いた今も、逆流性食道炎への注意は欠かせなくなっています。

    適切な処置をしてくださった医師の話によると、処方された強い肺炎の薬は胃に大きな負担を与えるもので、安易に処方するものではないとのことでした。

    患者の訴えや症状から複数の可能性を慎重に検討してくださっていれば、このようなことは起こらなかった可能性は高いと感じます。

    あくまでも心理学上の注意点としては、以下があります。

    ◇「専門家バイアス」・・・人はどうしても自分の得意分野で解決を図る傾向がある。状況によっては不得意な分野での解決をさける。
    例「ハンマーしか持っていないと、すべての問題が釘に見える(英語のことわざ)」

    ◇「アンコンシャス・バイアス」・・・作業に慣れると、脳は「楽をしよう」とし、慣れた行動をなるべく考えずにとるようになる傾向がある

    悪意がなくとも、上記のような作用が生じやすい傾向が心理学上であることを示唆されています。

    重要な決定を下す場面において、人は意識をしておかないと、こういった可能性を除去するというのは難しいと言われています。

    実際、慎重な診断をされる医師に、私は何度も助けられています。

    以前、のどの痛みと薬による悪化の情報を伝えた時に、しばらく思案された後に、逆流性食道炎を疑い、ベテラン医師が適切な対処をしてくださいました。

    わずかな情報にも真摯に向き合い、幅広い可能性を見据えて診察してくださる医師には、深い安心感と敬意を抱かずにはいられません。

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